スペインの7月は既にもう夏真っ盛りで、
日中は気温計の針も38度辺りを差している。
うちのアトリエは窓を開けっ放しでも、外のだれからも見られない。
それを良い事に僕は上半身裸で絵を描いている。
暑くなると僕は食欲がなくなり、麦茶とガスパチョ(冷たいトマトのスープ)をがぶ飲みし、
果物ばかりを食べるようになる。
今はスイカやメロンやパイナップル、そしてマンゴが美味しい。
マンゴなんかでもこちらでは割と安く買える。
日本で食べるものみたいに上品ではないし、味ももっと酸っぱいのだが、
酸っぱい果物が好きな僕にはたまらない。
またこの暑さの中で、もの凄く食べたくなるのがゼリーだ。
僕はゼリーが大好きなのだが、悲しいかな、スペインではプリンばかり売っていて、
ゼリーはあまり店に置いていない。
ちなみに、僕が世界で一番好きなゼリーは日本の「サンフルーツ」と言うお店で売っている
「生グレープフルーツゼリー」だ。
六本木ミッドタウンの地下1階や、三越の各店舗に入っているから、
機会があれば、是非皆様も一度食べてみて欲しい。
そんなゼリーがないここマドリードでどうしてもゼリーが食べたい僕は、人々が寝静まった夜中、
一人台所で粉末のゼリーの素に熱湯を注ぎ、ぐりぐりとかき混ぜ続けている。
そして夜中にトイレに起きた嫁は、僕の姿を見て一瞬「妖怪」が出たと思うらしい。
神津善之介